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大聖院通信vol.5 「冬至の運汁」

どさっと散った銀杏の葉
どさっと散った銀杏の葉

 師走の半分があっという間に過ぎていった。

 年末の風物詩といえば、世間ではクリスマスがすっかり定着しているように思われるが、物心つく頃から「お寺にサンタさんは来ません」などと言い聞かせられてきた私には、どうも今でも縁遠いものだなぁと感じてしまう。その代りに・・・というワケではないのだが、我が家には“冬至の運汁(うんじる)”という恒例のしきたりがある。

 冬至(今年は12月21日)は、暦の上では冬のど真ん中にあたり、一年中で最も昼が短く、夜が長い日である。日照時間が少ないので、太陽の光が一番弱くなる日ともいわれる。草木の成長が止まったこの時期には自然の力がいかにも弱々しく感じられ、その自然から恩恵をうけている我々の生活全体が危機にさらされる、と昔の人は考えたのであろう。その上、ちょうどこの頃からぐっと冷え込んでいくので、冬至に力や栄養をたくわえて、きびしい冬を乗り切っていこうという様々な風習が全国に伝わっている。

蓮池の氷
蓮池の氷

 冬至といえば、まずは柚子湯。柚子を浮かべたお風呂で身体を温めると風邪を引かないとか、「柚子(ゆず)」は「融通(ゆうずう)」に語呂が通じるので、身体息災であれば融通がきく、つまり滞りなく物事をすすめることができる、といわれている。実際、柚子湯には血行を促進させる効果があるそうだ。

 また食べ物では、秋に収穫した野菜、とくにカボチャを保存しておいて冬至に食べると風邪を引かないとか、中風(卒中)にならず長生きができる、とも言い伝えられている。

 

 我が家では、食材の名前に“”が2つ付くものを集めた“運汁(うんじる)”を食べることが、冬至の恒例になっている。

”は“ウン(運)”に通じる、という。

蓮根(レ)、人参(ニ)、隠元豆(イ)、銀杏(ギ)、は、うどん(この日だけは「ウ」という…;)、南京豆(ナ:落花生のこと)、大根(ダイコ:例外で“”が1つ、根気を養うともいう)などの具材を適当な大きさに切り、ケ汁(一説によると建長汁が訛った呼び名。豆腐やごぼう・しめじなどをゴマ油で炒め、だし汁で煮てから醤油で味付けした汁物)に加えていき、さいごに寒天(カ)でとろみをつけ、香り付けに柚子(=融通)の皮をのせ、好みで七味唐辛子(ナ:唐辛子の別名を南蛮辛子という)を振りかける。

 具だくさんで食べ応えがあり、少しとろみがあるので身体が芯から温まる。具材の名前を一つ一つ「ウンウン」と確認しながら食べるという家族団欒の楽しみもある。美味しいので必ずおかわりが欲しくなる。我が家に伝わる冬至恒例のしきたりである。

絵:I.S.
絵:I.S.
柚子
柚子

 人生は運も大切である。天の運、地の運、時の運、人の運などなど。とにかく才能や努力などの自分の力だけではどうにもならないような“巡りあわせ”というものがある。とはいっても、努力を怠ってよいということではない。精一杯の努力を積み重ねることはもちろん大切であり、その上でなおかつ運を味方につけることができたならば、これに勝ることはないであろう。

収穫した柚子
収穫した柚子

 運も実力の内、できれば幸運を手繰り寄せたい。運汁で“ん”が2つ付く具材にこだわるのは「運を重ねる」ということなのだそうだ。たくさんの“ウン”を取りこんで腹の中に蓄えていき、運を重ねてより太く強いものにして、そして新年を迎えようという願いが、この“冬至の運汁”に込められているのだと思う。

 冬至を過ぎると、新年の準備や掃除など、いよいよ大忙しとなる。

運をしっかりと手繰り寄せ、健康に気をつけて、素晴らしい新年を迎えたいと願う。どうぞ良いお年を・・・!!!(副住職孝善)

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