昨年に続き、今年も「港北区災害ボランティア連絡会」が主催する災害ボランティアセミナーに行って来ました。今回の講師は全国で起こった様々な災害のボランティアセンターに支援に入り活動を続けて来られた『渡邉善明さん』です。
チラシの写真よりもずっと若い青年だったのでちょっとビックリ。お若くても学生の時から復興のボランティアとして支援活動をしているので、渡邉さんの話の引き出しはいっぱいです。10時~15時までのセミナーも時間がもっともっと欲しいくらいでした。経験に裏打ちされ分かりやすく好感が持てる話し方。優しさが滲み出る人柄の講師さんでした。
災害といっても大地震だけではなく、風水害、火山、豪雪、大規模事故・・・その全てが日本国内で最近起こった災害です。今まで起こった災害の映像を見せてもらいましたが、実にたくさんの災害と共に私達の生活はあります。
近いうちに横浜でも大地震が起こると言われていて、箕輪町でもその時に備えて訓練を行っています。
何かが起こってから助け合うのではなく、災害の起こる前から智恵を出し合い助け合う土壌を作っておく、それが減災につながる近道とのこと。
箕輪町でも要援護のご家庭を民生委員さんが訪問しています。町会が災害マップも作ってくれました。防災担当者は1年の内何回も会議を重ね、いざという時に慌てないように打ち合わせ・訓練をしています。
自助、共助、公助と言われていますが、今回のセミナーで「近助(近所)」という言葉も知りました。
発災してから作るのは難しいから起きる前から作っておく。ご近所付き合いは大切ということですね。挨拶をするだけでもいい。町内会の会員になって色々なイベントに顔を出すことも大切なこと。ひとりひとりが自分の周りの、いわゆる隣近所を把握しておくと、みんなが集まると町全体を把握できていることになりますものね。
支援はしやすいけれど、救援は苦手。それが日本人の感情だそう。悪いなとか・・・申し訳ないからとか・・・恥ずかしいからとか・・・他人に我が家に入り込んでもらいたくないとか・・・兎に角、支援を受けるのは尻込みしてしまう。そんな感情も考慮する必要があることを渡邉さんの話で知りました。
==自分が被災者になるということ==
そしてもうひとつ、とても大切なこと。それは【正しい情報】
3・11でも間違った情報が噂として流れ、ずいぶん混乱しました。大抵大きな災害の時には恐怖心から冷静さを失います。それがパニックを引き起こし、悲観的になったり暴動となる・・・。
「今どんな状況なのか」わかればずいぶん落ち着けます。
震源地はどこか?被害状況はどうなのか?津波はくるのか?今自分はどんな状況に置かれているのか?
【情報収集&発信】はとっても重要な事だと改めて実感。
今回参加して良かったのが【目黒巻】の存在を教えてもらったこと。
目黒巻きとは東京大学の目黒先生が考案した様々な災害時のイメージを時間軸でとらえて書きこむシートのこと。美味しそうな名前ですが、目黒さん作で、貼り合わせると長くなって巻きもののようになるから目黒巻き、わかりやすい。
地震・火事・台風・不審者の侵入等、様々な災害を設定できるだけでなく、突然の病気や夫婦喧嘩にも対応できるそうです。
目黒巻を使ってワークをしました。18時に南関東地震発生、震度6強。その時私は家にいると想定。強い揺れは5分間続きます。
発災のその時、5分後10分後20分後30分後・・・・1時間後2時間後3時間後・・・・1日後2日後3日後・・・1年後2年後3年後・・・その時自分はどこでどんな行動をしているか家族はどうしているか、家の中・町の様子はどうなのか???それをイメージして書きこむのです。
私の目黒巻は早くも真黒!それはきちんとたくさん書き込めたからではありません。書いては消し、書いては消しを繰り返したから真黒なんです。そして段々怖くなりました。震災時は想像力を持つことが大切と思ってきましたが・・・、そして今までもイメージをしてきましたが、私の持っていたイメージは0に等しいとわかりました。
箕輪町では震度5ならば、役員はとにかく拠点に走ることが取り決めになっています。でも目黒巻シートの時間軸を追っていたら、「私はすぐに動けるのだろうか?」と疑問がいっぱい。家族の無事が確認できなかったら?近くで火災があったら?近所で気になる家庭があったら?拠点までの道中けが人がいたら?考えたらキリがないくらい。ちゃんと拠点にたどり着けるのは一体何分後?何時間後?そしてその時私自身は果たして無事なのか???
自宅にいると設定してこれです(-_-;)。その時に電車に乗っていたら?映画館の中だったら?地下街を歩いていたら?海のそばだったら?
あ~私は一体どう行動するの???
目黒巻、是非やってみてください!!!
ちょっと怖くて為になるセミナーでした。お昼に出たお弁当は今年も美味しかったです。復興の為に気仙沼の方たちが作られたケーキとクッキーも買いました。う~ん、いいお味。ひまわりさん頑張ってください。
今年も、参加者は防災ボランティアの方だったり民生委員さんだったり、地域で何かしら活動をしている人が殆どでした。全員で60人くらいだったでしょうか。
「このセミナーに参加している人は普段から備えがあって、意識が高いから、医療チームがどう動くかとか拠点がどこにあるかとかわかるけれど、殆どの人は何にもわからないでしょ?そこが大問題なのよ!!」と同じグループの人が話してくれました。なるほどそうかもしれません。
こんなセミナー、各地区でもやるといいですね。
そうそう、この日も講座の途中で地震があったのです。去年もあったのよ~(T_T)
小さな揺れにも敏感な小心者がお届しました。今回長文で失礼(*^^)v
RIKO